北の光を辿る犬


|ヘルズベル|
迫りくるビルの隙間と
相対的な距離を表すエレクトロニカ
少し先の街路樹がもみくしゃにされる
つよい風の予兆
ここからひと月は淡い幸せが待っている
さらにその先が最悪だとしても

清らかな水を通り過ぎ
春の終わりの
猛毒の一帯を抜けるとさらなる
地獄の鐘が震えもせずあちらこちらに浮いている
鐘たちが鳴り響く前に
初夏をからだいっぱいに詰め込んで
護るちからをあげておかなければ

月夜の浅くに眠る